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 「患者の口腔の状態は、看護ケアの質を最もよくあらわすものの一つである」。看護教育の指導者として知られ、ナイチンゲールと並び称されるヴァージニア・ヘンダーソンの言葉です。いま、この言葉のもつ意味の深さに気づき始めた看護師さんが、日本中に急速にふえています。
 その理由の一つは、誤嚥性肺炎の問題です。高齢者の直接的死因の上位にある誤嚥性肺炎は、医療・介護の現場で解決の決め手がない問題でした。ところが、口腔ケアにより口腔内細菌を取り除くことで、発症率を下げられることがわかってきたのです。この事実は、ここ10年ほどの間に一気に進んだ“誤嚥性肺炎予防と口腔ケア”に関する研究で、科学的に裏付けられています。
 もう一つは、経口摂取との関連です。口から食べることは単に栄養摂取という面だけでなく、生きる喜びであり、さらに人間の尊厳を守ることでもあります。やむなく経管栄養になったとしても、口腔ケアにより食べる機能を維持・回復することで、再び経口摂取へと導くことも可能です。「口から食べたい」という患者さんの願いは、「私はもっと生きたい!」という心の奥底からの切なる叫びなのです。
 いま、口腔ケアを本格的に始めた看護現場では、驚くべき現象が起こっています。たとえば、口腔ケアにより誤嚥性肺炎が減った! 患者さんが口からご飯を食べられるようになった! 元気になり生きる力が出てきた! ご家族に笑顔が戻った! などなど、目を見張る成果が次々と出始めています。下記に掲載の声は、病院施設の看護師さんや患者さんのご家族からお聞きしたものの一部です。
「チューブから栄養をとっていた父が、口のケアをしていただき、数ヶ月ぶりにとろみ付きジュースを飲むことができました。父が胸からお腹を手で撫でるので『おいしかったの?』と聞くと、涙をいっぱい浮かべて頷くんです。口から食べるなんて当たり前のことだと思っていましたが、たったひと口のジュースを飲むことも生きることなんだと私も胸が熱くなりました」(患者さんのご家族)
「もう主人は口から食べられないと思っていた時期もありましたが、経管チューブが取れて久しぶりに口から食事をとった主人は、何度も『おいしい、おいしい』と繰り返していました。私は主人が食べている姿を見ているだけで泣けてきて、『よかった、よかった』と心の中で繰り返していました。あきらめずに口のケアを続けてくれた看護師さんに感謝しています」(患者さんのご家族)
「先日、自宅に戻った母が亡くなりました。最期は好物だったメロンをしぼったジュースを、ひと口ですがスプーンで飲むことができ、目をつぶっていつまでも味わっているようでした。病院で教えていただいた口腔ケアブラシを、棺に入れてあげました。天国でもきれいな口でいてくれればと思います」(患者さんのご家族)
「口腔ケアを続けて、何ヵ月ぶりでジュースを飲まれたとき、表情の消えていた患者さんの顔がわずかに微笑まれたのです。周りにいたスタッフから思わず拍手と歓声が上がりました」(看護師さん)
「口腔ケアを始めて、まず病室のにおいが変わりました。それからデータは取っていませんが、熱発や誤嚥性肺炎も少なくなっています」(看護師さん)
「誤嚥性肺炎で亡くなる方は確実に減ってきています。今年はまだインフルエンザにかかった方もいません」(介護施設の看護師さん)
 新雑誌『看護師の口腔ケア』が、2008年1月に創刊しました。「看護の現場に口腔ケアは必要だ」「よし、私も取り組んでみよう」という強い想いと行動力をもった看護師さんを、支援するために発刊する雑誌です。
 じつは、記事編集を進めるなかで、ご協力をお願いしている看護師さんから思いがけない言葉をいただきました。編集中の取材記事を読み終えたその看護師さんが、しみじみといわれたのです。
 「こんなふうに頑張っているナースが、日本中にいるんでしょうね。大勢仲間がいるとわかれば心強いのに」
 その後この話を、口腔ケアに理解のある看護師さんたちにしてみました。すると、誰もが大きくうなずいて共感されるのです。これがきっかけとなり、ひとつのプロジェクトが誕生しました。
 看護師の口腔ケア 3,000人バタフライプロジェクトです。
 プロジェクト名の元となった【バタフライ効果】とは、気象学者ローレンツの講演「ブラジルで一匹の蝶がはばたくとテキサスで大竜巻が起こるか」に由来します。初期のわずかな差が時間とともに拡大して、結果に大きな変化をもたらすということです。  いま、口腔ケアに熱意をもって取り組まれている看護師さんは、新しい時代を切り開くパイオニアともいえる存在です。勇気と行動力をもって、看護現場に口腔ケアを根付かそうと尽力されています。ですから、同じ想いをもった仲間の存在は、非常に心強いことでしょう。
 そこで本プロジェクトではまず、誤嚥性肺炎予防や経口摂取のための口腔ケア普及に、ご賛同いただける3,000人を募ることにしました。
 一人ひとりの声は小さくても、3,000人集まれば大きな力になります。本来ならば、募集をもっと大人数にするべきかもしれません。しかし、プロジェクトの趣旨に心から賛同いただける方にまず参加していただきたいので、3,000人からスタートすることにしました。この3,000人を核にして、バタフライ効果により口腔ケアの輪を広げていきたいと考えております。
 近い将来、口腔ケアを行うことが当たり前になり、誤嚥性肺炎の心配もなく、最期まで口から食べられる。そんな社会を全国の仲間と共につくっていきたいと思います。ぜひ、あなたのご参加を、心からお待ちしております。
 プロジェクトへのご賛同は、『看護師の口腔ケア』誌上で受け付けております。まだ購読されていない方は、当サイトの定期購読お申し込みフォームから購読とプロジェクト参加申し込みができます。
 ※プロジェクト賛同者に生じる義務や負担は一切ありません。また看護師さん以外の医療者もお申込みいただけます。
 本誌『看護師の口腔ケア』の誕生から共に歩む3,000人の賛同者には、口腔ケアを先導される方として、下記のとおり本誌より特別な敬意を表したいと思います。
●「3,000人バタフライ」プロジェクトの賛同者は、永久にお名前を保存させていただきます。さらにご承諾いただいた方は、本誌に特別ページを作り、そのお名前を掲載いたします。
●特に口腔ケアを熱心に行われている賛同者は、編集部で取材し本誌にてご紹介いたします。
●本誌より口腔ケアに関する情報をお届けする際は、「3,000人バタフライ」プロジェクトの賛同者専用の特別封筒にてご案内を差し上げます。
●新聞・テレビ等のメディアに向けて、本プロジェクトの活動レポートや、口腔ケア・誤嚥性肺炎に関するトピックを配信します。
●「3,000人バタフライ」プロジェクト主催の講演・イベントを開催します。もちろん賛同者には優先的にご案内いたします。(詳しい日程等は未定)
 さて、「3,000人バタフライ」プロジェクトについてはおわかりいただけたかと思います。
 口腔ケアの輪を広げることを目的とする本プロジェクトは、『看護師の口腔ケア』誌を拠点として展開するものです。すでに本誌の定期購読をお申込みの方は、本誌中にあるプロジェクト賛同の申込案内をご覧ください。
 また、まだ読者になられていない方におかれましては、何卒、「3,000人バタフライ」プロジェクトの趣旨をご理解いただき、本誌購読と共にご参加いただけますようお願い申し上げます。定期購読お申し込みフォームに、プロジェクト賛同のチェック欄がございます。
 最後までお読みいただき、ありがとうございます。
 ここでもう一度、冒頭のヴァージニア・ヘンダーソンの言葉を、記させていただきます。あなたの心にどんな響きをもって届くでしょうか。
 「患者の口腔の状態は、看護ケアの質を最もよくあらわすものの一つである」
 想像してみてください。口腔ケアを受けて、口から食事をとっている患者さんやご家族の笑顔を。熱発や誤嚥性肺炎が減った、あなたの勤務する病棟を。口腔ケアにスタッフが取り組む姿を。そして、「3,000人バタフライ」プロジェクトの推進により、口腔ケアが日本中の看護・介護現場に広がっていく様子を。

» 3,000人バタフライプロジェクト賛同者の声

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